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GoodLack 02-02

GoodLack
11 /30 2010
 食べ物に着替え、そして薬、あとは看病人。
 二日酔いの胃の荒れを考えて、消化に良い食べ物を作り置きしておいた。水分の取りすぎで汗も掻いているだろうから、着替えも準備してと、飲み過ぎ食べ過ぎに効くという胃腸薬に、頭痛薬もわかりやすいところに出しておいたし、そしてなにより、付き添いに悟子さんが着てくれた。

「ああ…心配だ…。」

 あの二人仲はいいけど、悟子さんが希望さんをからかうのが大好きというか、趣味であって、希望さんはそれに簡単に乗って、弄ばれてしまう。体調が悪いときは、大人しくしておいて欲しいのだが…。
 それにしても、昨日の希望さんはどうしたんだろう。いつもはあんな風に自分で帰れなくなるまで、酔い潰れてしまったりしない。それについて、悟子さんに聞いておいて欲しい様な気持ちもあるような気もするが、きっと騒がしいことになるだろう。
「そーいちさーん。」
 潰れる直前、希望さんはすごく怒っていた。
「私の彼氏」
 彼女はそう言っていた。
 そんなに自分は希望さんの彼氏としての自覚がないのだろうか。言われてみれば、たしかに彼氏っぽいことを全然して上げてない気がする。
「ねーぇー…。」
 しかし、よくよく考えてみれば、彼氏っぽいこととはなんなのだろうか。中学高校時代から歳をごまかして、バイト三昧の生活を送ってきて、学校中は眠ってばかりいたので、同年代の男友達がどんな風に女性と彼氏彼女として過ごしていたのかなんてわからない。いっしょにいるのが、幸せなことはわかる。けれどそれ以上の接し方といったら、どうするのだろう。抱きしめる?甘えさせてあげる?それとも一目もはばからずに、キ、キスしてあげ、あげる…とか?

「そ・う・い・ち・さん。」

 耳に艶めかしい吐息が当たる。

「ひあっ!?」

 思わず、素っ頓狂な声を上げてしまった。背筋にぞくりときた。
「な、なにするんですか三橋様!?」
 慌てて振り返ると、すぐ近くに三橋様が寄り添っていた。

「もぅー聞いてました?さっきから色々と聞いていたんですよー。それに、まだみ・は・し・さ・まって呼ぶんですか?」
「あーはい…申し訳ありません、三橋様…。」
「んー…はぁ…もう呼び方の方は諦めましょう…。」
「え、あれ?申し訳ございません…。」

 なにかひどく落胆したようにうなだれる三橋様。希望さんの事を心配している間にとんでもなく失礼なことをしてしまったのだろうか。そうだとしたら、どうにか弁解しないと。

「とにかくー!女性と二人きりの時は他の女性のことを考えちゃダメですよ!」
 ぷんすかといった風にそう言い、三橋様は自分の側面に周り、腕を組む。

「ほら、これで私のことしか考えられないですよね?」

 た、たしかにこれは…。柔らかな感触が…っ。

「私も希望さんのことは心配ですよー。でもあんまり心配しすぎなのも、彼女が気を遣うというか、彼女を幼く見すぎだと思いますよ。」

 下からめっと嗜めるように見上げてくる。
 それにしても、三橋様と希望さんは全く異なる存在だ。
 希望さんは少しひねくれているというか、そんな素直じゃないところが可愛いと思えるところがあるのだが、三橋様は、この少し抜けた雰囲気からか柔らかく、大人としての包容力があり、その物腰の美しさに憧れを覚える。実際に天界でも、お嫁にもらいたい女性ランキングでも、お姉様にしたい女性ランキングでも、他に追随されない圧倒的な人気を誇っている。

「実は私、羽塚さんとこういう風にして歩きたかったんです。」

 そんなみんなのアイドル、高嶺の花と今、腕を組んで歩いている。天界の人気No.1の三橋様とだ。
 腕を組んで!こんな恋人みたいな歩き方を!

「私って、こうして外を出回る機会ってないでしょ?なので、恥ずかしながらこういうのは初めてなんです。その初めてが創一さんでよかったなーって思ってるんです。」
「え、えーっと、よ、よかったってどういうことなんでしょう?」
「もぅ、わかってるくせに…敢えて言わせたいんですかぁ?創一さんのいけずぅ…。」
「えっ!?い、いや…恐縮…デス…。」

 鼓動が早すぎて、声が震える。なにかこの雰囲気は…いけない…気がする…。

「あ、あのぅっ!」

 なにか!なにか、気を逸らすものはないのか!?

「そ、そういえば、私たちどこへ向かっているんでしょうか?こっち方面には廃墟しかないはずなんですが…。」

 この質問に三橋様は落胆されたようで、

「やっぱり聞いてなかったんですね?」

 とはぁと溜息をつく。

「二人きりで…」

 三橋様はぎゅっと私の腕を掴み、

「大事な話があるんです!」

 力を込めて言い放った。
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No title

先生待ってましたよ!

崎原 一研

エキゾチック:
外国の雰囲気・情緒のあるさま。異国的。
外国の人から見れば日本も外国。

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