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GoodLack 01-05

GoodLack
08 /29 2010
 そこは、どこにでもあるような居酒屋。
 料理が売りのようで、その通り、酒に合い、その風味をよく引き出す。
 繁盛しているようで、ガヤガヤと賑やかな喧騒に包まれている。

 その店の外に電話の応対をしている男が一人。

「ああ、わかった。」

 無精髭を顎に蓄え、少し老けて見えるが、まだ中年とまではいかない風貌だ。

「そうだ、手筈通りにだ。裏は取れている。」

 要件が終えたのか、電話を切ろうとしたが、確認のようにもう一度、携帯電話を耳に当てる。

「いいか、絶対に行動を早めるな。絶対にだ。」

 そう念を押し、電話を切る。一度出た店内に入り、元居たカウンター席に座り、頼んでいた酒を味わう。

「酒も久しぶりだな。」

 昔は仕事の終わりには、毎日のように飲んでいた。いつから飲んでいないだろうと、男は思索を巡らす。
 背後の座敷の客の喧騒が聞こえる。
『私ぃー、ちょっと酔っちゃったなぁー…』
 このどこか騒がしい雰囲気も一人酒の肴には丁度よい。
 男は酔う気がないのか、一口一口を身体に染み渡らせるようにじっくりと味わっていく。

「同じのをもう一杯頼む。」

 カウンター席から店員に声をかける。その時、背後の座敷から一際大きな声が聞こえた。

『あんた、私の彼氏でしょ!?』

 しばしの沈黙、それからドサッという音の後、ドタバタと慌しい声が聞こえる。

『ちょ!希望さん!?』
『きっと潰れて寝ちゃっただけよ。あはははは!』
『大丈夫ですかー?』

 店員が注文の酒を男に差し出す。

「ちっと騒がしいですね。」
「別に構わんさ。賑やかなのに越したことはない。」

 グラスを受け取り、目の前で混ぜるように軽く揺する。

「ふ…」

 男は呆れたように笑い、

「羨ましいものだ。」

 ぐいと一気にグラスを煽った。
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崎原 一研

エキゾチック:
外国の雰囲気・情緒のあるさま。異国的。
外国の人から見れば日本も外国。

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