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GoodLack 04-09

GoodLack
09 /18 2012
 その子は儚く健気で、優しい子だった。
 そうなったのは、この子の心の清純さ故なのか、それとも凄絶なる人生を送らざるを得なかったからなのか。
 どちらにしろ、世界に見放されたその子を俺は…。

「現場にて少女を発見」
 少女の父親はろくでなしだった。
「これより保護をします」
 人身売買の現場。騒然とした場で少女は一人静かに座り込んでいた。
「お嬢ちゃん。もう大丈夫だ」
 手を差し伸べる。声には反応しているが、目の前の手を取ろうとしない。ふと気づく。少女は目が見えていないのだ。
「そうか…お嬢ちゃんがーーの娘か」
 口にした名を耳にし、少女はこちらを向き、問いかける。
「父は?無事なんですか?」
 人の気配がわかるのか、瞳を閉じていても真剣な眼差しを感じるようだ。
「私が悪いんです!私がこんなだから…父は疲れて…」
 少女の盲目は病気のせいだと聞いた。出生時の体質も関係する数百万人に一人がかかる病気。運が悪かったのだ。
「役に立てるならと私は…、恩返しのつもりでここに…」
 たった今、少女は父親に裏切られたばかり。少女の父親は一言で表すなら屑だ。これまでも父親らしいことをしてやったことがあるのか疑問である。この父親を持ったのも少女の不幸だと言える。
「だから…私が全部…返したいん…です…」
 少女の声は震えていた。
「あれ…これは、違うんです…ちがっ…」
 悲しみ、恐怖、虚しさが溢れて出てしまったのか、少女は涙を落とす。

 その姿が、儚く。健気で。

「大丈夫だ」
 少女の頬に触れ、涙を拭う。

「俺が守る」

 なぜ少女はこのように居られるのか。
 なぜこんなにも優しい子が辛い目にあわなければならなかったのか。
「あ…」
 少女は力なく虚空に手を伸ばす。
 それを、強く握り締める。

 その子を俺は守ると誓ったのだ。
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崎原 一研

エキゾチック:
外国の雰囲気・情緒のあるさま。異国的。
外国の人から見れば日本も外国。

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