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GoodLack 04-08

GoodLack
08 /29 2012
 世界が刻を緩める。
 死の直前、この絶対絶命の場において、集中力が増しているのだろうか。時の流れが緩やかに感じられる。
 しかし、一騎の突きは確実に迫ってきている。避けることもできそうにない。認識とは違い、身体がついていかない。あの木刀で人の身体を貫こうというのだ。きっと実際には凄まじい速度で繰り出されているのだろう。
 これまで死にそうな目には何度かあったが、こんな感覚は初めてである。これは本格的にやばそうだ。
 なにはともあれ折角得られた機会だ。幸いにも辛うじて首を動かすぐらいの暇はありそうだ。
 最後に一目、彼の姿を胸に収めておこう。
 そう思い振り向こうとした瞬間。すぐ横をなにかが横切る。
 私の瞳に映ったそれは…。
 羽塚だった。

 身震いがした。
 
 ぼろぼろになりながらも固く拳を握り締め、一騎へと向かう姿。
 私に迫る危機よりもずっと速く、疾風のような拳を突き出す。
 木刀を削るように対象の顔面へと最短距離で腕を伸ばす。
 一騎は不意を取られたのか、私への攻撃を止められない。いや…一騎は気づいている。その鋭い眼光は既に私を捉えてはいなかった。それでも止めないのは自分の攻撃の方が先に到達するという確信か。はたまた、目標を達することへの意地であるのか。
 羽塚か、一騎か。

 私は信じている。

 言わせて欲しい。
 この心の内に秘めた言葉を。
 あなたが大好きだってことを。

 一騎の木刀が私に届く。
 だが、羽塚の拳も一騎に届いていた。

 木刀は軽く私の胸に触れた後、再度軌跡を描きなおす。
 羽塚の身体全てをぶつけるような一撃。その全力の一撃を顔面に受けた一騎は数メートル離れた壁へと跳ね飛ばされる。

 壁に強く激突した一騎は壁に背を預け、崩れ落ちる。
 そして、一騎の『希望ノ羽』は光を消した。
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崎原 一研

エキゾチック:
外国の雰囲気・情緒のあるさま。異国的。
外国の人から見れば日本も外国。

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