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GoodLack 04-07

GoodLack
07 /25 2012
 希望さんが貫かれた。
 眼前に視えていたはずのビジョンは、霧散し、本来の視界を取り戻す。
 なにが起きたのか?今、目の前にいる希望さんは未だ危害を加えられた様子はない。健在でいる。その背後で、地面に臥せっている自分。その身体は自身のものではないかのように統制が取れず、バラバラで重い。加えて、意識すらもまともに保てていない。すぐ近くで声が聞こえている。一騎と話しているのか、その内容すらも判別できない。
 すぐ目の前にいるのに、遠くにいるようだ。頭は重く、目の焦点も合わない。
 ただ声と霞んだ視界で認識はできた。希望さんは無事だ。あの最悪の光景は実際に起こったことではない。希望さんは生きている。
 だが、それで安心してもいられない。
 とにかくなにがどうなっている?自分は一騎に倒された。そして、いつのまにか希望さんがかばうように前に出てきている。前後の状況が繋がらない。意識を失っていたのか?考えがまとまらない。頭がうまく回らない。
 それでも、このまま伏したままではいられないのは確かだ。一騎が希望さんに木刀を突きつけている。今にも先ほど視たような光景になりかねない。そんな危機に希望さんを晒したままにしておけない。
 自分の身を差し出すように、身代わりになるかのように前に…。

 瞬間、嵌った。
 考えるまでもなかった。事実なのだ。
 ついさっき視た光景は予知。このままだと確実に起こる事象。

 希望さんが殺される瞬間を予知したのだ。気付けには十分、むしろきつい。
 動かなければならない。今動かなければ希望さんが、死ぬ。
 
 何秒前に視た?
 自分の視る未来は31秒後。もう何十秒もしないうちに、あの絶望的な未来を迎えることになる。焦りに反して身体は動かない。感覚が薄い。手足からうまく反応が戻ってこない。身体が燃えるように熱い。ダメージからの熱。加えて、『希望ノ羽』の代価。やはり一度意識を失っている。『希望ノ羽』の応答がない。
 強大な力を得る代償。使用者に膨大な熱を残す。内側から、身体を高熱で侵す。だるさに加え、痛みも伴う。それは使用時間、解放レベルに比例しており、今回はこれまで感じたことのないほどの熱だった。
 今はただ熱いだけ。色々なものが麻痺してしまっているのか痛みすら感じ得ない。とにかく動かないのだ。
 
 どうすることもできないのか?
 
 嫌だ。諦めない。失いたくない。
 希望さんを、希望を。『希望』を失いたくない。

 『希望ノ羽』を再度起動する。
 設定はデフォルト。
「ッ…ぁ…!!?」
 感覚は設定はそのまま。痛覚も倍増している。凄まじい痛みに身体が反応し、強張る。
 それが起点。痛みをきっかけとして感覚を思い出す。

「あの子のために死んでくれ」

 全身が奮い立つ。
 腕を立て、脚に力を込める。しかし、まだ本調子でないのか、膝が折れ、その場にくず折れる。
 飛行は?まだ使えない。起動が不十分だ。
 
 ならばもう一度。今度は『希望ノ羽』を脚に集中して纏わせる。
 片方でいい。そして、もう一箇所必要だ。拳。

 一騎の行動はわかっている。
 希望さんとの絆とも言える、予知で視た。
 拳を堅く握り締め、脚に力を溜める。
 
 あらゆる可能性を潰す。
 集中しろ。
 一騎の切っ先が希望さんに到達する前に押し返す。
 
 一騎が腕が引く。

「人を愛するのって素敵なことよね…」

 そして、突きを放つ。
 その瞬間。

「うおおおおおおお!!!」

 気合の声と共に地から飛び立った。
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崎原 一研

エキゾチック:
外国の雰囲気・情緒のあるさま。異国的。
外国の人から見れば日本も外国。

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